- 2018.04.12
大好きな酒蔵(1)富士正酒造(静岡県富士宮市)
富士正酒造さんを初めて訪問したのは2006年ころ。もう10年以上のお付き合いとなります。当時は現在の朝霧蔵への移転前、上野の里の旧蔵で酒造りを行っていました。
現在はこの蔵屋敷ではお酒造りは行われていませんが、地域をあげての春の蔵開きイベントは、こちらの旧蔵を開放しています。
上の写真は、旧蔵での酒造りの様子。蒸米を冷ます放冷機の様子です。一番手前で作業している女性は、現蔵の蔵人頭(かしら)となっています。
こちらは旧蔵の醸造蔵ですが、歴史ある建物のため老朽化、酒造りにとって最上の環境とは言えなくなっていました。そこで、当時の蔵元である佐野直次社長は、新しい蔵の建設を決意します。
こちらが富士宮市の朝霧高原のあさぎりフードパーク内に立つ新蔵「あさぎり蔵」です。旧蔵と同じく、バックには富士山がそびえています。標高900メートル、多分、日本で最も富士山に近い酒蔵です。温暖なイメージの静岡県ですが、ここ朝霧高原はマイナス10度以下まで冷え込みます。
この新しい蔵で酒造りの指揮を執ったのは、右から2番目、南部流の若手、八重樫杜氏。佐野直次社長の抜擢で、新蔵での初酒造りを任されました。新しい環境での酒造りは試行錯誤の連続、一から酒造りの手順を積み上げて行きました。
八重樫杜氏は、後に富士正酒造から初亀醸造(静岡県藤枝市)に移籍、現在も酒造りの腕を振るっています。
現在、富士正酒造で酒造りの指揮を執るのは、同じく南部杜氏の新進気鋭、上の写真の真ん中に立つ伊藤杜氏です。伊藤杜氏は八戸酒造(青森県八戸市)の新ブランド『陸奥八仙』を立ち上げた実力の持ち主。
富士正酒造は新しい蔵に移ってから、実力のある若手杜氏が連続して就任、蔵人たちも若い人たちが揃っています。富士正酒造は今後ますます実力をつけて行く、上り調子の注目の酒造会社です。ぜひ注目してください。
残り2セットとなった受賞酒は、この若々しい杜氏、蔵人たちが精魂込めて造ったもの。しかも、富士正酒造として20年ぶりに全国で受賞した記念すべき酒。「絶対、全国で賞を獲るんだ!」という気合のこもった酒なのです。
経年変化確認用のサンプルを確認しても、熟成に連れてますます旨くなっています。とろりとした香味のノリが、本当に素晴らしいです。熟成させてこれほど綺麗な酒は滅多にないと思います。自信を持っておすすめいたします。
昨年の全国新酒鑑評会で受賞したお酒とチルドうなぎ蒲焼の特選セット。
数量限定での発売でしたが、残り2つとなりました。全国新酒鑑評会の熟成酒が入手できる最後の機会です。日本酒好きの方への贈り物、お祝いに最適です。勿論、自分へのご褒美としてもご利用いただきたいです。