- 2017.10.27
- 食べ歩き
地域の味と歴史・文化の関係。ほんの表面的なお話ですけど。
大五うなぎ工房うまいもの発見隊の小山です。ここのところ、週末になると雨模様・・・そんな日が続いておりますね。
今回は調味料というか、地域の味と文化との関係性のお話です。
江戸時代、うなぎの蒲焼という料理がほぼ現代の形となったのは、諸説ありますが元禄(1688年~1704年)の頃からと言われています。そして、その調理法の完成には、千葉県の野田市や銚子市で造られる関東醤油(濃口醤油)の存在が大きかったと思います。
江戸料理に江戸前の海と濃口醤油が欠かせないように、静岡県のお隣、愛知県の料理を語るには豆味噌の存在が欠かせません。
豆味噌で特に有名なのは岡崎の「八丁味噌」ですが、名古屋周辺には豆味噌を造るメーカーさんがたくさん存在します。
上の写真は、私がよく利用する静岡市駿河区の「とんかつ宇田川」の味噌かつ。この味噌も名古屋のメーカーさんから取り寄せていると聞きました。ツヤツヤです。美味しそう!
岡崎城(岡崎公園)に遊びに行くと、ここに紹介したようなお味噌を使った料理を楽しめるお店があります。また、お土産屋さんには八丁味噌を使ったビーフシチューやカレーなどもありお薦め。
しかし、味噌料理の定番と言えば、やはり「味噌煮込みうどん」でしょう。写真は岡崎の大正庵釜春本店の「味噌煮込みうどん(1,260円)」。愛知の味噌煮込みの麺はかなり固めなので、初めて食べる人はビックリされますね。
実はこの大正庵釜春本店は、釜揚げうどんの元祖、発祥のお店なのです。私はこの釜揚げうどんが大好きです。
麺はふわふわの柔らか。汁の入った器に麺を適量手繰り入れながら、桶のふちで麺をプツンと切るという独特の食べ方。そう、うどんがすごく長いのです。初めての場合は、周りの人の食べ方を真似すればいいと思います。
上の写真は、「野菜天釜揚げうどん(1,220円)」の野菜天ぷら。
今、ふと思ったのですが、愛知に行くと、うどんと小うな丼のセットといったメニューが多いような気がします。小さめの蒲焼がのっていたり、カットした蒲焼がのっている場合もあります。これは「ひつまぶし」の影響でしょうか。
こちらは、「天婦羅釜揚げうどん(1,490円)」。
この釜揚げうどんの特徴は、麺だけでなく、なんといってもつけ汁です。その味を何と表現すればいいか、とにかくあんまり美味しくって、口の中がキューっとなります。ぜひ一度ご賞味いただきたいと思います。※味噌味ではありません。すみません。
江戸東京は濃口醤油、尾張名古屋が豆味噌だとすると、静岡はどうでしょう? 私個人の意見としては砂糖かな?って思います。江戸時代、お餅にきな粉とお砂糖をかける「安倍川もち」がすでにありました。これって、実はものすごく贅沢なことなのです。昔、砂糖は大変な貴重品でしたから。
ではなぜ静岡は贅沢品の砂糖を使えたのか? それは江戸時代、今の静岡市駿河区高松あたりはサトウキビの栽培が盛んで、地域に流通するほどの生産量があったそうです。「静岡の蒲焼のタレや蕎麦つゆが甘いのは、こうした砂糖を使う伝統があったからではないか・・・」と私は秘かに思っています。
※これは私の勝手な想像です。学説などでは全くありませんのであしからず^^;;;