- 2017.09.02
- 食べ歩き
メニューは「一本焼うなぎ定食」のみ。石橋うなぎ店(静岡市葵区)
大五うなぎ工房のうまいもの発見隊の小山です。
ちょうど30年前、まだ結婚する前の話ですが、鰻屋さんに行ったことがないという家内を、石橋さんに何度か連れて行きました。当時は先代、今の若女将のお父上がうなぎを焼かれていた頃で、インター通り沿いのお店から、現在の場所に移られて5年ほど経った時期だろうと思います。
メニューは現在と同じ「一本焼うなぎ定食」のみ。当時のお値段は、確か1,650円だったと思います。「ご注文は?」ではなく、「いくつですか?」と数だけを聞かれたものです。最終的には席に座ると「定食を2つ、1つはご飯大盛り。」とお茶を出しながら言ってくれるので、私は「はい」と言うだけで済みました。
石橋家はもともと吉田でうなぎの養殖業を営んでいましたが、先代が家業をうなぎ屋さんへと変えられたそうです。「吉田で養殖をしていた頃から、実家でのうなぎの焼き方がこの一本焼きでした。タレも母の手作りで、今も元気に継ぎ足し用のタレを作ってくれています。」と教えてくれました。
先代は40代という若さでお亡くなりになったので、娘の悦子さんが若女将として急きょお店を継ぐことに。悦子さんの旦那さんはイタリア料理へと進みたかったそうですが、一緒に板場に入って鰻包丁での割きの習得に努めてくれたそうです。今はご子息も板場に入っているそうで、後継者として頑張ってくれていると明るい表情で話してくれました。昔から、家族みんなで家業を盛り立てて来た様子が伝わってきます。
石橋さんのうなぎは、蒸さずに焼く関西風。静岡市では珍しいと思います。タレは二度つけで、身はふっくら、皮はパリッと焼き上げます。関西風はこの皮が美味い。割きはご主人、串打ちは息子さん、焼きは若女将と分担が決まっています。焼台の前は50度ほどの気温になることも。「今年も夏は暑くて大変でしたけど、お客さんがたくさん来てくれてありがたいです。うなぎはやっぱり夏ですから。」と、串打ちしたうなぎを焼きながら話してくれました。
石橋さんの一本焼きは、うなぎの頭付きです。「うなぎの頭は食べるのが正式ですか?アンジャッシュの渡部さんは、全部食べたと書いてありましたが。」と訊ねると。「そうなんです。好きな方は丸ごと全部食べてしまいます。でも真ん中に硬い骨がありますし、エラの周りにも細かい骨が多いので、無理して食べなくていいですよ。」そうですよね、私も何度か食べようと挑戦しましたが、食べられませんでした。
石橋さんのこってり濃厚な甘辛タレは、ご飯がモリモリすすみます。それこそ、ビールをグイッと流し込めば、まさに至福の時…ですが、車なので我慢です。また、ご飯が進む理由をもう一つ。よく漬かった自家製のぬか漬け、この古漬けの酸味が口の中をさっぱりとさせ、またうなぎを頬張りたくなる、するとご飯が止まらない。と、連鎖的に食べてしまいます。定食の価格はうなぎの仕入れ値で多少変動しますが、今(2017.08現在)は3,900円です。
支払いを済ませて引き戸を開けると、大きな暖簾がかかっていますが、石橋さんの暖簾は、「石橋うなぎ」と店内側から読める向きでかかっています。これは、食べ終わったお客さんに「また来てくださいね」という、ご挨拶の意味を込めてと聞いたことがあります。暑い時期だけでなく、昼時は平日でも大変込み合います。お電話でお席を確かめてからお出掛けされることをおすすめします。
石橋の甘い濃厚なタレが好きで月に一度は食べに行きます。
いつも暖簾が反対で気になっていたのですが、なかなか聞けずにいました。この記事を読んでスッキリです。
Jリーガー、相撲さん、リポーター、お笑いからジャニーズの方もたまにお忍びでくるみたいです。
私は舛添要一さんがSPを沢山連れ入るのを見ました。
ベネチアさま
コメントいただき、ありがとうございます。
あの濃厚なタレ思い出すと、、、すぐに食べたくなってしまいます。
暖簾の件、スッキリされたとのこと、お役に立てて良かったです^^
ジャニーズの方もいらっしゃるとは知りませんでした!
都知事時代の舛添さん、SPや秘書など大名行列でしたでしょうね。
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