うなぎの栄養《アルギニン》免疫力強化

前回『数字で分かる、うなぎの優れた栄養バランス』で、必須アミノ酸のお話をさせていただきました。今回は非必須アミノ酸の一つ『アルギニン』についてのお話です。

前記事で、私たちの体を形作るタンパク質は、20種のアミノ酸から出来ていて、その内、食べ物から摂取しなければならない9種類アミノ酸を「必須アミノ酸」と呼ぶとお話ししました。

今回ご紹介するアミノ酸「アルギニン」は、体内で作り出すことができるので、「非必須アミノ酸」といわれます。ただ、アルギニンは体内で作られる量が少ないため、不足する分を食事などで補う必要があります。そのため、準必須アミノ酸、条件付きのアミノ酸とも呼ばれます。

「アルギニン」は、とても幅広い効果が期待される栄養素の一つ。実際にどんな効果が期待できるのか具体的にご紹介します。

【成長ホルモン】
成長ホルモンは病気にかかりにくい体つくりや、傷の治りを早める効果が期待されていますが、アルギニンにはこの成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。また成長ホルモンには、脂肪の代謝を促して筋肉を強化する効果も期待できるとされており、引き締まった体型づくりにも欠かせません。

【免疫力】
アルギニンは、白血球の免疫細胞である「マクロファージ」を活性化するとされています。マクロファージの活性化は、病気に負けない強い体を作りに欠かせないため、手術後の回復を助け、感染症合併の発生率を下げる効果を期待し、アルギニンを加えた輸液が使用されているようです。
※出典:国立健康・栄養研究所「健康食品の素材情報データベース」アルギニンより。

【生活習慣病】
アルギニンが体内で作り出す一酸化窒素は、血管を拡張させるとされ、冷え症、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病の予防に効果があるのではと期待されています。

【美容】
アルギニンにはお肌の角質層を保湿する効果があるとされています。

様々な効果が期待されるアルギニン。1日の摂取量は成人で1g~8g、子供で4gとされています。では実際、どういった食品に含まれているかというと、

《食品100gに対してのアルギニンの量》
乾燥大豆→2.7g(納豆で約6パック分)
鰹節→4g
キハダマグロ→1.3g
卵黄→1.2g(玉子5個分)
高野豆腐→4g(ほぼ、市販製品の1袋分)
車海老→2g
アーモンド→2.1g
鶏肉→1.5g
豚肉→1.3g
牛ひき肉→1.3g
うなぎ→1.1g
和牛→1.2g
ピーナッツ→3.2g
ゴマ→3g

一見、大豆やピーナッツ、ゴマ、鰹節にアルギニンの含有量が多いように見えます。でも、毎日ゴマ100gを食べられるか…というと、難しいと思います。

実際には量を食べやすい「うなぎ」や「お肉」「マグロ」などを組み合わせて、効率よくアルギニンを摂取するようにしたいですね。

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